その11、本番(後編)
F医師はそのホテルの部屋を前もって予約してくれていたようでした。
「チェックアウトは明日の12:00だから、それまでね。」
都心で、しかも35階からの夜景となると、ホントにキレイで素晴らしくて。
私は大人げなくはしゃいでしまいました。
F医師は、そんな私の背中を、後ろから抱きかかえるようにして
「シャワー浴びてきたら?」
と耳元でヒトコト。
もう、ここまで来ちゃったら、行きつくとこまで行くしかないんだ!
今頃になって、ようやく私は腹をくくりました。
今から思えば、こんなことになったのは、ただ自分が身勝手で世間知らずで、流されやすい人間だったからです。
でも以前、誰かはこんなことを言っていたな。
「人間関係はね、歯車みたいなもんなんだよ。その人の性格とか、その時の状況とかがカチッと噛み合っちゃうとさ、どんどん転がってっちゃうんだよね。
誰のせいでもないんだよ、それは。仕方がないんだよ。」
*
一度一線を越えると、その後の展開は、簡単な2択。
淡々とお付き合いを繰り返すか、
どんどん濃密にエスカレートするか。
F氏と私は、前者の方でした。
その理由は、
単純に、私もF医師も、関係をエスカレートさせられるほどのヒマがなかったからです(笑)
いわゆる一般企業のビジネスパーソンなら、規則的な休日がしっかり確保されている(はず)なので・・・
最悪「土日はずーっとベッタリ一緒に過ごす」ようになったりして、不倫関係がエスカレートし、そのうち家族にバレて修羅場!!
ということも多いみたいなのですが。
医師や看護師の場合、休日がバラバラで本人でさえいつ休みになるのか予想できず(笑)
さらに、病院内で起こったことは意外と外部には漏れにくいため・・・
誰にもバレずに何年も淡々と不倫している人も実際にけっこう多いです。
私とF医師も、こちらの「淡々と繰り返す」タイプの関係でした。
だから3年も続いたんですよね。
もちろん、F医師と付き合う中で、「あわよくば略奪婚・・・」みたいな考えがよぎったことは何度もあります。
でも、私にとっては、今の幸せが壊れてしまうことのほうが怖くて、それ以上の関係まで踏み込めませんでした。
じゃあ、どうして3年で不倫関係が終わったのか?
って思いますよねー?(^_^;)
そのキッカケを作ったのは・・・
当時付き合っていた彼氏でした。
こちらに続きます!
>>その12、彼氏クンのプロポーズ